ラストソング~★野沢尚

10数年前に映画になっている小説だそうです。
映画の後に、書きたくなって書いた、ということです。

題名のとおり、最後の歌・・・・そこまでの音楽に係わっていく様子が綴られています。
青春から次のステップに行く段階?歌に賭けた若者達の紆余曲折。
かなしくて純粋でドロドロで、懐かしくて。
ラストソング・・・唄う場面は泣けます。滂沱の涙。

才能溢れる一矢。ギターも歌も曲作りも。
シュウ。一矢の才能に惚れぬいて、自分の夢を託すかのように変わっていく。
倫子。シュウに惚れながら、一矢の気持ちにも気づいていて。
あとはバンドのメンバー。

田舎でスカウトされたバンド、メンバーを切ったり切られたり。
バンドから一矢のソロへ。このときはシュウはマネージャーに。
最後は・・・。ラストソング。

旅立ちの日、それぞれの親の愛情がいいな。
赤飯が朝食にでてきちゃうところとか。何もいわなくても全てがお赤飯にこもってる。
故郷の海でぷかぷか浮かびながら唄う歌。
唱歌「浜辺の歌」美しくハモる。っていうところがいい。

才能に惚れる、でしょうか。
お互いに惚れあうところがあって、それがどうしてもお互いを惹きつけあってしまう。
嫌なところ、たくさんあるのに離れられない。
才能そのものに惚れてしまっているから。お互いの才能に夢を託しているから。
シュウちゃんが立ち去るときの一言、
「だから・・・・ツブれたりしやがったら承知しねえぞ」
もうこの前後は泣けて泣けて(/_;)

才能に惚れる。
ありますよね。本読んでは作者に惚れ、小説に惚れ、はたまた登場人物に惚れ。
歌に惚れ、歌い手に惚れ、奏者に惚れ。
ものにだって惚れる。独創的なものであることもあれば、緻密な職人技を駆使したものであることも。
ブログやホームページだって、読んでていいなと思うことあるし。

惚れられるものがいつも存在する。
そんなふうに、いつもなにかに惚れ惚れしながら過ごせていけるって、
結構しあわせなこと、だと思ったりするんだけれど・・・。


「俺の音楽は・・・どこに辿りついたんだろ」
シュウがぽつりといいます。
ものすごくさみしい感じがしました。
でもみんななにかしらそういうものを抱えながら「今の自分」に辿りついているんだろうと。
結果は自分が一番よくわかっているし、折り合いのつけかただって知らないわけじゃない。
そこでどの道を選んだにしろ、あとから悔やむことだけはしたくないな・・・。

「信じる」って大事、難しいけれど。
ひとつでも、これだけは!ってものがあれば、きっと道は閉ざされることはないはずだと。
夢であれ、恋であれ、仕事であれ。もちろん日々のありふれた幸せであれ。
と、私は思う・・・。


そうそう、倫子。
私も倫子の立場にいたら、同じ「道」選んだかもしれないな・・・(*^。^*)

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