夏を喪くす ~★原田マハ

ちょうどこの本を見つけた頃、
自分の中に、今年の「夏を喪く」したような気持ちがあって。
惹かれるように手に取った本。

夏に何を喪くすのか?
夏の何を喪くすのか?
そんな思いを抱きながら読む。

喪くすもの。
完璧な身体に水着を着る夏。
そう思った。

もちろん、今の時代、
いくらでも補正も誤魔化しも形成もできるでしょう。
でも。
やっぱり自分で作り上げてきた身体、
大事に愛しんできた身体、
なにより、生まれ持っての身体、
とは違う。

完璧な(完璧でなくても)身体に水着を着る夏。
いつでも着ることのできる夏。
女性としての想い。
着ることに付随するありきたりな事々、今までの当たり前を、断ち切る思い。
島で過ごす夏の数日間に、
喪くすことの決意が重なっていく。
オンナは強い!のです、きっと。

喪くした夏、のあとに、
新しい夏、が来ることを願って。


4篇の小説。
天国の蝉、最後の晩餐、も好きです。
最後の晩餐には、楽園のカンヴァスへの「芽」みたいなものを感じたのは私だけ・・・かな(^^)


そうそう、解説には、
人生の「夏」を謳歌してきた主人公が、人生の「秋」を迎えることになった決意としての
「夏を喪くす」だと書いてありました。そっちが本意なのかな。
私は解説を読んで、初めてそうなのかぁ!でした^^;


私が喪くした気持ちになった夏。
会うべき人に会わない夏。
会う時の気持ちが不確かな夏。
長い長い、長かった夏。

季節はもう晩秋です。


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