水平線

6月の海。
すこし肌寒い日の海は人影もまばらで、釣りを楽しむ人、ひとりふたり。
レンタサイクルで走り去るグループ・・・。
デートで歩く人も早々に立ち去る。

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水平線

ご褒美のように紡ぎだされた時間。
海岸線へと歩く。
風は強いし、冷たくて、はしゃぎまわる雰囲気もないのに。
髪をくしゃくしゃにして歩く。
ふざけながらポーズを決める。
二人の写真、一人の写真、
貴方の写真、私の写真。

水平線をいつまでも眺める。


工場の煙突からは煙がもくもく。
はるか彼方の船は動いているのか止まっているのか。
髪をくしゃくしゃにして笑い合う。
海の色は水色とグレーを混ぜたようで
波を忘れたように静か。
話をしない時間に沈む。

水平線をいつまでも眺める。


思い出をまた作っちゃって。
かなしいことにつながるのをこわがる。


絵本のような背景に
ふたつの影だけがくるくるまわる。


水平線に貴方の背中だけがとける。

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