on the road.

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小さなBARでした。

居酒屋さんで飲んだあと、隣合わせのふたつのお店、どちらに入ってみるか悩んだ末に、私が選んだお店。
何となくの直感。
恐る恐る開けるドア。

適度に混んだお店に、人懐っこいマスターの顔。
初めてのお店への緊張感が一気に緩む。
カウンターだけの、美味しいお酒の、一癖もふた癖もあるお客さんの、
そういうお店。

何度足を運んだでしょう。
ちょっと遠い。
私にとっては、特別な日に特別な人と特別な気分で出かけるお店。
他のお店より、うんと強いモスコミュール。
いつものお酒。
何度たのんだことでしょうか。
私にとっては、そこでしか飲めないお酒。

パントマイムを披露してもらったこともあります。
特別な人の悪さを、申し訳なさそうに目配せしてくれたこともあります。マスターが悪いわけじゃないのに。



とっても久しぶりに訪ねた、そこに。
少し淋しさを漂わせたお店のドア。
明かりのつかない窓。
小さな不安が過ぎりました。


7月だったそうです。
人はそれぞれにいろんなものを抱えています。

携帯にマスターのおどけた、少しはにかんだ顔。
ささやかなファンがここにもいましたから。


二度と飲むことのできないマスターのお酒を。
いつかどこかで、誰かが思い出して作っていてくれたら・・・。
そのお酒にめぐり会える偶然を、心のどこかに秘めて。
モスコミュールをまたいつか。

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