たかいたかい空のうえ


   たかいたかい空のうえ



高い高い空のうえ
満月が白く冴える

散り際のさくらをよそに
冴え冴えと輝く

碧い夜空に
星を味方に白さを際立たせて

ビルの影にあったさくらは丁度満開
春を惜しむように咲き誇るさくらが
月と戯れる


夕暮れにあと少し
青空が冴えるころ

風を感じないのに
桜は惜しげもなく散る

見渡す限りのさくらの樹々が
風の通り道を教えてくれる

肩に髪に膝小僧に
そして手を伸ばせば手のひらに
白にすこし染めた色はさくら色


時々黙り込む
二人の長い時間
膝を寄せ合い
肩に寄り添い
ただ見上げてみる
潔く吹いてゆくさくら

サンドイッチの美味しさ
ナッツの塩梅
他愛もない会話の心地よさ
ただそこにいる気安さ

風の運ぶさくらが
髪の毛に潜り込む
大きなバッグに忍び込む
たたんだブランケットに隠れる

見つけるたびに
すこし笑ってすこししあわせ



過ぎてゆく春に
身を委ねよう
哀しみはかなしみのまま
懐かしく笑えるまで

たかいたかい空のうえ
半分になった月を追い
今日の淋しさを手のひらで包む


すこしだけ強く握った手が
私を勇気づける




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